街の小さな移ろいに気付きたい

『還暦ライダー』の生存確認日記

千葉に国防の神様がいた「蘇我比咩神社」-「島穴神社」-「姉埼神社」

2023年9月17日(日)

日本武尊、東征の道程の続きになります。

[日本武尊、東征の道程の記事]

https://haranbanjyokirikirimai.hatenablog.jp/entry/2022/11/20/201224

上総に渡った後の弟橘姫の伝承が内房の神社にいくつか伝わっています。

【地図】

■JR蘇我駅まで輪行

本日は蘇我から姉ヶ崎まで行くので、蘇我まで輪行です。前回は館山まで行ったときかな。久しぶりです。朝方は曇り空でした。今にも泣きだしそう。

 

輪行袋から出した直後の自転車。

蘇我はサッカーの「ジェフユナイテッド市原・千葉」の本拠地です。今日は神社巡りのついでに気になっているスポットにも寄ってみます。

フクダ電子アリーナ

フクダ電子アリーナジェフユナイテッド市原・千葉のメインスタジアムです。ここには2022年5月に亡くなられたイビチャ・オシム氏のモニュメントが設置されています。2023年6月に行われた除幕式のニュースを見て気になっていました。

今日は日曜日、学生の試合があるのか運動着の中学生ぐらいの子たちがたくさんスタジアムにやってきました。でも、みんなモニュメントの前を通り過ぎて行きます。みんな知らないのかなぁ。彼がどんな人か。仕方ないのかなぁ。彼がジェフや日本代表の監督をしていたのはもう20年近く前になるのか...

延喜式内・蘇我比咩神社

さて、フクダ電子アリーナの近くにある「蘇我比咩神社(そがひめじんじゃ)」までやってきました。この地が蘇我と呼ばれる由縁の場所でもあります。

弟橘姫と5人の姫達

走水の海が荒れたのは龍神の怒りであることを知った弟橘姫は入水し、龍神の怒りを鎮めようとしました。その時、同行していた5人の姫達も共に入水したといいます。その中に蘇我氏の大臣の姫もおり、この海岸に打ち上げられましたが、里人達の看護の結果、蘇生したということです。後に、この話を聞いた応神天皇は感銘を受けて蘇我一族をこの地の国造として派遣したとのことです。また、他の同行した姫達も姉ヶ崎、五井、八幡の海岸に打ち上げられ命を救われたという話も伝わっています。

延喜式内・島穴神社

島穴神社と姉埼神社は弟橘姫が、走水の海を暴風雨の中安全に航行し上総にたどり着けるように龍田大社の風鎮めの神に祈願し、成就した場合にはこの地に神社を建立することを約束したため日本武尊弟橘姫に代って建立した神社です。

お祀りされている神様は
龍田大社
御柱大神(あめのみはしらのおおかみ)別名:志那都比古神(しなつひこのかみ)
島穴神社
志那都比古尊(しなつひこのみこと)

●弟橘姫が龍田大社の神を呼んだ

妃君の弟橘姫命が大和国の風鎮めの神・龍田大社を遥かに拝み...」とあります。弟橘姫と龍田大社の関係が気になります。今回の東征の工程は船を多く利用します。海を荒らす大風は航行の大敵。弟橘姫が東征に同行した目的として風鎮めの巫女であったからかも知れません。だからねぇ、この段階で弟橘姫が命を落とすとは思えんのよねぇ。それにねぇもう一つ目的があるし(それはまた、その場所にたどり着いたときに...)

延喜式内・姉埼神社

風鎮めの神は男女で一対の神様。

お祀りされている神様は
龍田大社
御柱大神(くにのみはしらのおおかみ)別名:志那都比売神(しなつひめのかみ)
姉埼神社
志那斗弁命(しなとべのみこと)

茅の輪くぐり、この神社では2度目の体験です。穢れを祓っていただきます。決して茅の輪に触れたり、茅を抜いたりしてはいけません。茅に吸い取った穢れが身体に移ります。

●風鎮めの神の神は男女で一対の神様

龍田大社が一社で二柱を祀っていますが、千葉では一社で一柱です。男性神志那都比古尊)が遅れて到着したことが原因でしょうか。志那斗弁命が「待つ身はつらい」と云われたことから「待つ」に通じる「松」を忌むようになり境内に松の木はなく、氏子も正月には門松を立てなかったそうです。姉ヶ崎の謂れは「姉(志那斗弁命)が先に着いて弟を待った」ことからだそうです。

●台風を鎮める神様です。台風の直撃コースになった場合はお参りしましょう。

近年、関東も台風の直撃することが増えました。風鎮めの神である島穴神社、姉埼神社にお参りする必要があるかも知れません。

龍田大社の神様はあの事件に関わっている。

実は龍田大社の神様は日本国内を震撼させたある事件に関わっているというお話があります。

昔、元(げん)という大国が、わが国を攻め取ろうと大きな船団を率いて九州近くまで迫ってきた。困ったわが国は大きな石垣を海岸に造り、番人を置いた。
いよいよ、大船の軍団が九州の玄界灘に姿を見せた。わが国の軍はいつ上陸するかと待ち構え、大きなハシゴや引っかけるクマデもたくさん用意した。だが、敵はなかなか上陸しない。
わが国のあちこちの神社やお寺では、敵軍調(ちょう)伏(ぶく)の祈願が始まった。龍田大社でも、日夜、熱い祈祷が続けられた。
すると、ある晩のこと、龍田大社の裏手からにわかに空が曇ってきた。天地が大鳴動し、恐ろしい黒雲の中を、大きな竜巻が天へ昇り始めた。
やがて、それは大きな袋の玉となって舞い上がり、雲に乗って西の方へ飛んでいった。 
九州では、元の国の大船が、すでに玄界灘まで攻めてきていた。さあ、大変である。
ところが、不思議なことに、その船団の上で、龍田大社から飛んできた袋の玉が破れた。そして、それが大暴風雨となって敵の船団を吹き飛ばしてしまったのだ。
こうして、わが国は国外からの攻撃を無事に逃れることができたということだ。

(奈良のむかしばなし 第48話)

弟橘姫が信頼をおいて願い求めた神様。「神風」の元になり日本国を守った神様が千葉に居ます。

■JR姉ヶ崎駅から輪行で帰ります。

市川市内-JR蘇我:450円
JR姉ヶ崎-市川市内:700円
自転車:29km